ではあらためて、動画制作チームのリーダーを務めた利用者さんより、カリキュラムを終えての言葉をいただきました。
今回の記事はいつもと少し違い、利用者さんの苦悩も含めたカリキュラム内容を、包み隠さずご紹介したいと思います。
それではご覧ください。
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「妥協の程度をいかにして計るか」
撮りたかったもの、映像にしたかったものが何一つ撮影できなかった。
そういうビデオになってしまっている。というのが僕自身の、この映像に対する評価です。
満足のいく映像を作り切れなかっただけの、その程度の作家でしかない。
と言われてしまえばそれまでなのですが、単にそれだけではない事情が様々あって、
板挟みに苦しんだことも併せて記述しておきたいのです。
言い訳のようですが、本当に制限が多すぎて表現者としては苛立ちを覚えるほどでした。
実をいうと、かなりの妥協をしたシーンがほとんどで、頭の中を完全に映像化できなかったという事情がありまして、
その点を集中して取り上げれば、このカリキュラムに意義はなかったとするのが適切な評価なのですが、
それでも、これらのものを作り上げたんだ、というのは素直に評価すべきことだと思います。
スタッフは皆本当に頑張ってくれましたから、その頑張りは絶対に評価したいのです。
ですが、やはりそれでも、後悔に近いものや、「チクショーッ! どうしてこれが撮れないんだ」
という気持ちを捨て去ることはついぞ出来ませんでした。
クリエイティブの精神、ものを作るという精神性は徹底的に横やりを嫌う性質があり、
そういったものが私をそうさせるのでしょうが、僕の場合は、単にそれだけではないのだと思います。
思うに、妥協をしなくともよいものまで妥協していたのではないか。と考えるのです。
やけになって表現を改めすぎていた。襟を整えすぎて、キッチリカッチリしすぎた映像になっている。
もう少し我を押し通すこともできたはずですが、それをしなかったことが今になっても心に残る後悔なのでしょう。
とすれば、今後に活かすことはただ一つで、妥協の程度をどれほどか推し量るか。に尽きると思います。
これは僕がよく使うたとえ話なのですが、こういったクリエイティブなもの、
特に公の創作物というのは、料理に近いと考えています。
カレーやラーメンといった大衆に馴染み深いものでも高級品や、極端に尖ったような、
いわゆるシェフのこだわり一品のようなものがあり、それを求めるお客様がいることも事実です。
世の中的、世間的に求められるものはやはり大衆性、社会性のあるもので、
それを作ることが、多くのクリエイターに求められます。
でも、僕はそれは面白くないとも、創造性がないとも思うのです。
大衆向けの中にありながら、自分の好きな表現をできないか、その模索の道が今回の僕にはできなかったのではないか。
それが僕の心に残る後悔の要因だろうと考察しています。
そう考えることができれば、次は本当に満足のいく映像表現ができると信じています。
次にどのような映像を作るかはまだ未定ですが、次は必ずや満足のいく表現をしたいと思います。
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【支援員のコメント】
動画制作お疲れ様でした。
彼のクリエイター精神は、制作に関わったチームメンバーへ多大な影響を及ぼしたことでしょう。
予想を超える上質な動画が完成したことに、支援員たちも驚きを隠せません!
しかし、もちろん彼の力のみで成し遂げられたわけではありません。
この動画制作は、ココカラフルの継続カリキュラムとして、チーム力を磨く訓練の一環で行われました。
それぞれが異なる価値観を持つ中で、方向性を確認しながら1つのものを作り上げるという作業は、
とても簡単なことではありません。実際に、感情がぶつかり合う場面もありました。
それでも諦めることなく、軌道修正しながら完成に向かっていく姿は、さすがココカラフルのみなさんです👏
なにはともあれ、ぜひ一度ココカラフル紹介動画をご覧ください!
ココカラフルでは、様々な訓練を行っています。
この記事を読んでココカラフルにご興味をもってくださったあなた!
ぜひ、見学・体験お待ちしております。